日本電産グループ各社の取り扱う製品を用途、仕様・性能、キーワードから検索できます。モータの不思議と更なる可能性の探究Nidec Technical Adviser筆者の著書の中に、すでに絶版になって久しいのですが『モータのABC』(講談社)という書籍があります。そのまえがきに、クイーンメリー号の二等船室で原稿を書き始めたときのことを綴っています。81000トン、2000人乗りの豪華客船がサウスハンプトンからニューヨークに向かって最初の航海に出たのが1936年です。この本をめぐる講談社ブルーバックスの編集会議では、今さらモータの本-しかも小型モータの本―が売れるのかという否定的な意見が大半だったそうです。しかし、結果的には20刷を超えて6万冊近くも買っていただきました。当時、日本では小型モータの技術が成長していました。1765年、イギリスでワットが蒸気機関というモータを発明しました。これが産業革命を引き起こしたことは誰でも知るところです。これをきっかけとして、フランスのカルノー(1824)やイギリスのケルビン卿(1851)によって熱力学の重要な法則が発見されました。石炭を使って大西洋を横断するような豪華客船ができたのも熱力学の成果によるものでした。近年を見ると、1980年代の日本では三つのことが特筆されます。動くものは、人間活動・経済活動の活発さを象徴するようなものです。この技術をつねに磨いて高めていくのは産業界の役目です。1987年に『モータのABC』を書いていたとき、大学でのモータの教育が薄らいでいていることを少し嘆きました。しかし今は、少し考えが違います。大学ではその後の人生では学ぶことが困難な数学・物理・化学などの基本的なことを深く考える訓練に時間を費やすのがよいと思います。ただし、過去30年の間に日本の大学の授業時間が短くなり、講義の質も低下したので、志の高い若者には環境を克服する工夫が肝要だと思います。実用に近い基本から少し深いところは企業活動に入ってから心を引き締めて、たゆまぬ研鑽を重ねることが大切だと思います。すると大学時代に培った基本思考が大きな成果を生みだしてくれます。あるとき、日本電産の創業当時から営業活動を率いてきた服部執行役員と朝の電車の中で話す機会がありました。彼はモータの開発史のなかでもっとも優れた発明家はテスラではないかと言いました。なるほど、そうかもしれません。この機会にテスラのことに少し触れたいと思います。テスラがグラーツの学校でみたグラムの発電機あるいはモータはテスラが思いついたのは交流の利用だったのですが、それほどたやすい発明ではかったようです。最終的にブタペストで閃いた電磁石とロータの関係を断面で説明すると、図2のようなものだったと想像されます。トルク(回転力)を発生させるために必要な磁界を発生する装置を界磁とよぶのですが、直流モータには1セットしかありません。ところが、電磁石という物体を動かすことなく、磁界だけを回転させることができる原理がこれです。磁石を動かすと銅などの金属に力が作用して磁石の動きについてくることも、ロータに巻線をつかえばそこに電流が発生することも、ファラディの法則によって当時すでに知られていました。ですから、テスラが考えた原理で回転磁界ができれば新しいモータが発明されたことになります。その翌年にテスラはフランスのストラスブールで交流モータを試作して回転することを確かめたのですが、できが良くなかったのかあまり関心を集めなかったようです。この発明を本格的に実施できたのは彼がアメリカにわたってからです。すると間もなく改善研究が世界中で始まって、私はブダペストに短い旅をしたとき、ピアニスト・作曲家のリストが住んでいたアパートを訪ねましたが、ひょっとするとテスラが鯰のように騒音に苦しんだアパートはこんなところだったのかな?とか、ドナウ川のほとりの公園を散策して彼が天啓を得たのはここだったのかな?など思いをめぐらしました。しかしそのとき自分は凡人だと思いました。なにも閃きませんでした。大学3年生の講義で、2組の巻線に交流を流すことによって回転磁界というものが発生してモータができるという原理をきいたときに、うまいことを考えた人がいたのだなと感心しました。しかしそれはテスラの発明以降にわかりやすく作られた教科書的な説明でした。山村先生が「私は教科書を書かない」と仰った真意とつながるものでしょうか?ここで示した直流モータの電機子(ロータ)の現在の方式は写真のような鼓型(drum type)です。これを発明したのはSiemens and Halske社のアルテネック(Hefner-Alteneck)で、実用されるようになったのは1876年頃です。聖職の父と発明家の母の子として1856年クロアチアに生まれた。母方の祖父も発明家だった。10歳で入学したレアルギムナジウム(実業高等学校)で理科の時間に静電気を使った錫箔の回転実験に魅せられて、父の期待であった聖職者ではなく電気技術者になることを決意する。オーストリアのグラーツ工科大学に入学。2年生のときパリから届いたグラムの直流モータが不具合をおこして整流子とブラシの間で烈しい火花を飛ばしているのを見て、火花の出ないモータの発明に確信をいだいて、そのことばかりを考えるようになった。卒業のためのボヘミアのプラハ大学での人文コースを途中でやめて、ブダペストに行きハンガリー国営電信局に就職した。しかし、微弱な振動を鯰(なまず)のように鋭く感じるようになり精神的な苦痛に悩まされた。快復した1882年のある日の午後、公園を散歩中に夕日に感動してファウストの詩を吟じたとき、天啓を得たように2相交流を使う回転磁界モータが頭に浮かんだ。その原理を説明するのがその後、エジソンに関連した会社の仕事でパリに在住したが、自らの試作で交流モータの原理を確認したのは1883年フランスのストラスブールのある工場だった。1884年にエジソンの発明した発電機を改良するためにアメリカにわたった。学校も行かずに若い時代を発明のために有効に使ったエジソンと比べて、自分はヨーロッパ各地の図書館で多数の言語を習得しながら読書したことを悔しく思うこともあった。しばらくすると、基本的な発想の違いのためにエジソンとは袂を分かったばかりでなく、熾烈な争いをする仲になってしまった。エジソンは直流送電主義であったのに対して、テスラは交流の利点を理論的に悟っておりトランスも発明した。発明が順調に発展しているとき、テスラは文豪となったマーク・トウェインの訪問をしばしば受けた。テスラが少年時代にトウェインの作品で救われたことを話したところ、いつも笑顔のトウェインが突然号泣した。参考資料: … Nidec Group Search 技術情報誌辞書には「電気エネルギーを機械エネルギーに変える装置」と書かれています。つまり、電気エネルギーが「乾電池」、機械エネルギーが「回る」にあたります。これを物理的に説明するには、お馴染みの「フレミングの左手の法則」が役立ちます。対向する2つのマグネットの間に置いた電線に電流を流すと電線に力が発生し、その向きは左手の中指と人差し指と親指を互いに直角に開いたときに中指が電流、人差し指がマグネットによる磁界、親指が力を表します。なぜ電線に電流を流すと力が発生するのか?それは、電線に電流を流すとその周りに磁界が生じるためです。その磁界がマグネットの磁界と吸引・反発し、電線を動かす力になります。ここで、電気エネルギーは「電流」、機械エネルギーは「力」にあたります。1831年、イギリスの物理学者マイケル・ファラデーが、空芯のコイルの中で磁石を動かすとコイルに電流が流れるという「電磁誘導の法則」を発見しました。電磁誘導の法則は電気エネルギーと機械エネルギーが相互に変換可能であることを証明したのです。これが、モータの発明のきっかけとされています。当時のイギリスは第一次産業革命期でその原動力となったのは蒸気機関でした。電力網もなかった時代に当時の誰もが電気で動くモータの重要性は認識できませんでした。ニコラ・テスラファラデーの電磁誘導の発見以降、数々のモータが発明されました。1834年には実用的な直流モータがトーマス・ダベンポートによって発明されました。その後、交流でモータを駆動しようと考えたのが、ユーゴスラビアの電気技術者で後にアメリカ人となったニコラ・テスラです。1882年、テスラは公園を散歩中に突然、回転磁界の原理を思いつきました。1887年には回転磁界を使った実用的な二相交流モータ(誘導電動機)を完成させます。その後、変圧器、三相3線式結線といった交流の技術が確立され、電力網が造れていきました。電気が使いやすくなったことで、モータも使われるようになっていきました。テスラのひらめきがあったからこそ、私たちは電気とモータのある暮らしができます。ちなみに、テスラは「発明王」エジソンの会社に勤めていましたが、エジソンと対立し1年ほど退職しています。そのエジソンの名言を皮肉って、次のような言葉を残しています。『天才とは、99%の努力を無にする、1%のひらめきのことである。』誘導電動機受注第一号日本で最初にモータが使われたのは、1890年に開業した東京浅草の凌雲閣のエレベータ(15~20人を乗せ1階から8階まで昇降)と言われています。日本にモータを設計・製造する技術は当然無かったので、アメリカから購入された15馬力のモータ(直流電動機)が使用されました。結局、頻繁に故障したために1年も経たずに使用中止になったそうですが、電動化へのチャレンジを強く感じさせるものとなりました。1890年代になると、日本でも鉱山ポンプなどの用途に海外製モータが使われるようになりました。当時の日本の工業技術水準は欧米に比べかなり低かったため、電気機器のほとんどを海外製品に頼っていました。しかし、よく故障したそうです。徐々にモータ国産化の機運が高まりました。1895年、初の国産モータ(誘導電動機)が誕生しました。そして1915年、純国産の電機品を製造販売する会社として、安川電機(当時、安川電機製作所)が設立され、1917年に受注品第1号となる誘導電動機が世に出ました。それを皮切りに、炭鉱各社からのポンプ用モータと斜坑巻上機用モータの受注へとつながっていったのです。モータが生まれて180年、設計・製造技術や材料技術、エレクトロニクスは進歩し、モータの性能や使いやすさは格段に良くなりました。命令に忠実に動くサーボモータ、直線に動くリニアモータ、携帯電話で振動により着信を知らせる振動モータ、減速機構を組合せたギヤードモータなど、機能や構造など様々な分類によって、モータの名前は付けられています。また、同一構造のモータでも、いくつかの名前に分けることができます。炭坑用で始まった安川電機のモータも、今では産業機械、ロボット、電気自動車などの幅広い分野へと活躍の場を広げました。例えば下表のように、電気自動車用モータに付けられる名前を挙げてみました。このように他との違いが分かるように名前がつけられていった結果、モータの名前は数多くなってしまいました。ややこしい話ですが、これも、「モータが多種多様になった証」と言えます。モータに直流(DC: Direct Current)通電するものはDCモータ、それに対し交流通電するものはACモータです。ブラシレスDCモータはDCモータのブラシと整流子を半導体スイッチ素子に置き換え、ブラシを無くしたモータのことをいいます。ユニバーサルモータはDCモータと同じブラシと整流子を持ちながら、家庭用AC100Vを通電して高速に回すことができるモータです。他には矩形波状の電流を通電して回すステッピングモータや、スイッチトリラクタンスモータがあります。超音波モータは圧電セラミックスに高周波電圧をかけて振動させて動かす特殊なモータです。私たちが小学校の理科の実験で使ったモータはDCモータです。模型や家電、携帯電話の振動モータにも使われており最も親しみのあるモータです。モータの構造は大雑把に言うとロータとステータに分かれます。ロータはシャフトとつながって回る部分、ステータはモータの外観を構成する動かない部分のことを言います。DCモータのステータには永久磁石と電流をロータへ供給するブラシがあり、ロータには巻線と整流子があります。ブラシから整流子へ直流電流が供給されると、整流子に接続された巻線に電流が流れ、トルクが発生します。ここで、巻線と整流子はトルクがいつも同じになるように電流が流れる仕組みになっています。DCモータの特長は何といっても乾電池でも動く手軽さです。モータの線をつなぎ変えるだけで、簡単に回転方向を変えることができます。これが多く利用されている理由です。ブラシレスDCモータを一口で言うと「DCモータと同じような特性を持ちながらブラシが無いモータ」になります。その構造はステータに巻線、ロータに永久磁石があります。DCモータにあったブラシと整流子は無く、代わりに半導体スイッチ素子がモータの外部にあります。半導体スイッチ素子はU相、V相、W相の三相巻線のうち常に2相分の巻線のみに直流通電するように動作します。このときホール素子などで検知した永久磁石の位置に合わせて通電を切替え、常に同じトルクを発生するようにしています。 同期モータはロータの一端に取付けられた角度センサの情報を使って正弦波駆動されます。三相巻線が作る磁界の回転とロータの回転が同期するので同期モータと呼ばれます。同期モータの構造は基本的にブラシレスDCモータと同じです。そのため、両者が混同して扱われることがよくあります。同期モータやブラシレスDCモータの特長はDCモータの問題であるブラシの磨耗や電気ノイズを解消できることです。強力なレアアース磁石を使って小形化や高出力化、高効率化を図ることもできます。このため、情報機器、家電、車載用モータ、サーボモータなど幅広く使われています。小型モータの生産台数のうちDCモータが70%、ブラシレスDCモータと同期モータが20%を占めるとまで言われています。誘導モータの回転原理はフランスの物理学者アラゴーによって発見された「アラゴの円板」が基になっています。アルミ円板をU字型磁石で挟み、そのU字型磁石を回転方向に動かすとアルミ円板も同じ方向に少し遅れて回転するという現象です。U字型磁石の磁界がアルミ円板上で変化することでアルミ円板に渦状の電流が流れ(電磁誘導の法則)、その電流とU字型磁石の磁界との作用で電磁力が発生します。誘導モータはこのアラゴの円板を応用して発明されました。誘導モータのステータも三相巻線で構成されます。ロータにはかご状のアルミ部分(かご型導体)があります。三相巻線を正弦波駆動すると、その周波数で回転する磁界が発生します。するとアラゴの円板の原理のとおり、磁界の変化を受けるかご型導体には電流が流れ、ロータは磁界の回転よりも少し遅れて回ります。誘導モータは永久磁石を使うブラシレスDCモータや同期モータに比べ効率が劣っています。しかし、三相AC200Vの商用電源でも回せる、ホール素子や角度センサがなくても回せる、壊れにくい、インバータ駆動で高効率な運転も可能、大きなモータで大出力を出せるなどの特長を持っています。そのため、産業分野や乗り物に数多く使われています。多種多様になったモータの様は生物多様性に似ており、構造や材料の配分の違いで幅広い性質を持っています。 Copyright 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